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経営

連結・単独決算などの早期化が達成できない原因と対策を解説!

「決算早期化を実現したい・・・」
そういったお声はたくさん聞かれますが、なかなか達成できないという企業も少なくないと思います。

本記事では、単独決算と連結決算の早期化の障害となる問題をそれぞれ分類し、原因を詳しく分析します。
そして、その原因の解決策をお伝えしていきます!

皆様の決算早期化を進めるお力になりましたら幸いです。

目次

  1. 決算遅延の主な原因と分類
  2. 単独決算が遅い理由と対策
  3. 連結決算が遅い理由と対策
  4. 開示業務が遅い理由と対策
  5. 監査対応が遅い理由と対策
  6. 決算早期化のための全体的な準備
  7. 算早期化の実現効果
  8. まと

1.決算遅延の主な原因と分類

企業において、決算が遅延してしまう主な原因は、以下の4つのケースに分類できます。

①単体決算確定の遅延

単体の試算表作成や各種データの確定に時間がかかるケース

②連結決算の遅延

子会社や関連企業からの連結パッケージの提出が遅れたり、内容の精度が低いケース
※連結パッケージ:勘定項目など子会社や関連会社ごとに異なる情報を提出してもらう、グループ共通のフォーマット

開示業務の遅延

開示資料のフォーマットが整備されず、作業が非効率的なケース

④監査対応の遅延

監査法人とのコミュニケーション不足や事前準備の不備により監査が遅延するケース

これらはお互いに関連し合い、決算発表が遅れ、複合的な損失となる場合もあります。

では、この4つの遅延の原因と対策案について、次から解説していきます!

2.単独決算が遅い理由と対策

まずは、単独決算が遅れてしまう要因とその対策案をお伝えします。

単独決算の遅延の要因

全体的に決算早期化が難しい企業には、以下の2つの問題があります。

①管理業務の問題

  • 売上高の確定遅れ:得意先からの請求書の到着や代理店からの売上明細の提出が遅い
  • 仕入高の確定遅れ:とりあえずで入力していたり、請求書受領が遅延し、仕入金額が確定しない
  • 帳簿残高の不一致:現金・預金や固定資産など、帳簿残高と実残高の調整に時間がかかっている

②事前準備不足

  • 決算資料や開示資料が事前に準備されず、決算期中に作成するため作業量が増加している
  • 業務分担が明確でないため、日常業務と決算業務が発生し効率が低下している

単独決算を早期化するための解決策

決算が遅い原因を理解した上で、完全解決の早期化を実現するためには、以下のプロセスが必要です。

業務フローの見直し

  • 販売プロセスの改善
    • 出荷段階で売上予定日と予定金額を把握し、予定を組む
    • 販売代理店からのデータ提出を早期に行うためのプロセス改善
  • 購入プロセスの改善
    • 発注時点で納品予定日を記録し、活用する
    • 在庫評価や買掛金管理を日常業務に移行
  • 固定資産管理プロセスの改善
    • 台帳への登録を随時行い、決算時の慌てて行う一括作業を回避
    • 売却やその際の情報伝達を明確化し、スムーズな処理を実現する

業務分担とスケジュール管理

  • 業務分掌表を作成し、担当範囲を明確化する
  • 日常業務と決算業務の担当者を分けて、決算期中の負担を軽減する
  • 割り込みスケジュールを1日単位で作成し、進捗を管理する

必要な事前準備

  • 監査法人との事前会合で重要な課題を共有
  • 決算資料や開示資料の業績を決算前に作成
  • 直前の数値を事前に入力し、当期データのみを追加する形にする

3.連結決算が遅い理由と対策

次に、連結決算が遅くなる原因と対策をお伝えします。

連結決算の遅延の要因

  • 子会社や関連企業からの連結パッケージ提案が遅い
  • 提出されたデータの内容が不正確で、修正に時間がかかる

連結決算を早期化するための解決策

標準化と統一

  • 子会社向けの連結報告フォーマットを統一
  • 提出手順や要件を明確化する

事前指導とサポート

  • 各本社への説明会を実施
  • 問題のあるデータやプロセスに対するフォローアップを強化

4.開示業務が遅い理由と対策

次に開示業務が遅くなる原因と対策案をお伝えします。

開示業務の遅延の要因

  • 開示資料の作成が決算期中に行われている
  • 前の数値の入力や確認がとりあえずの値で、修正作業が発生している

開示業務を早期化するための解決策

事前の強化

  • 開示資料の業績を決算前に作成する
  • 前のデータの入力と確認を先に完了する

ツールの活用

開示資料作成システムを導入し、データ入力を自動化する

5.監査対応が遅い理由と対策

最後に、監査対応が遅れる原因と対策についてお伝えしていきます。

監査対応の遅延の要因

  • 監査法人との事前打ち合わせ不足
  • 新規取引や特殊会計処理に関する確認が決済後に持ち越されている

監査対応を早期化するための解決策

事前ミーティングの実施

監査法人と以下を事前に共有する

  • 内部統制に関する課題
  • 重要な会計方針や見積もり
  • 事後の出来事、不正なリスク

監査資料の準備

  • 必要な監査資料を事前に整備
  • 決算前の段階で監査法人と疑問点を解消

6.決算早期化のための全体的な準備

次に、決算を早期化するために必要な準備や、実際に決算早期化を実現している企業の特徴についてお伝えします。

基本的な準備事項

  • 業務分掌表の作成:業務担当者を詳細に定義し、責任範囲を明確化する
  • スケジュール管理:日単位、場合によっては時間単位で詳細なスケジュールを作成する
  • 会計の新しい基準のキャッチアップ:決算期以外でも最新基準への対応を継続する

成果指標

決算早期化を達成している企業の特徴は以下の通りです。
事業として目指すべき目標の参考としてみてください。

  • 試算表が決算期末後8日以内に完了している
  • 売上高や仕入高が請求書を待たずに決算期末後3日以内に確定している
  • 帳簿残高と実残高の調整が1日以内で完了している
  • 監査法人との重要な問題の共有が事前に完了している

7.決算早期化の実現効果

決算早期化が実現できると、以下の効果があります。

  • 経営の迅速な判断:データが早期に完了することで、経営陣の迅速な意思決定が可能になる
  • 投資家への洞察向上:かつ迅速に正確な情報の提供により、企業価値が高められる
  • 内部管理の強化:業務フローの改善により、管理体制の効率化が進む

8.まとめ

決算早期化は、企業の経営効率を大幅に向上させる重要な取り組みです。

その成功のためには、以下のポイントを要点として押さえておくと良いでしょう。

  1. 業務フローの反省な検討
  2. 業務分担とスケジュール管理の徹底
  3. 資料準備と監査対応の事前計画

これらを実践することで、企業の競争力強化と持続的な成長が可能になります。

税理士法人ストラテジーでは、皆様が抱えていらっしゃる決算業務のお悩みを共に解決していきます。
決算業務はもちろん、会計や税務にお困り事がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ!