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信用保証協会とは?役割や仕組み&熊本県の保証協会の場所も解説

事業を営んでいたり、会社を経営されている皆様の中には、資金繰りに悩んだことはありませんか?

事業を運営していく上で、資金調達は避けて通れない重要な課題です。
しかし、実績が少なかったり、事業が軌道に乗っていなかったりすると、金融機関からの融資を受けるのが難しくなることがあります。
そんな時に頼りになるのが「信用保証協会」です。

今回は、信用保証協会の役割や仕組み、そして熊本県内の信用保証協会についてご紹介します。
資金調達の強い味方となる信用保証協会について、詳しく見ていきましょう!

目次

  1. 信用保証協会とは?
  2. 信用保証協会の仕組み
  3. 信用保証協会の保証制度
  4. 信用保証協会を利用するメリット
  5. 信用保証協会を利用する際、注意点はある?
  6. 熊本県の信用保証協会はどこにある?
  7. 信用保証協会を活用する際のポイント
  8. 信用保証協会と金融機関にはどんな関係があるの?
  9. 信用保証協会の利用手順は?
  10. さいごに

1.信用保証協会とは?

信用保証協会は、中小企業や小規模事業者の資金調達をサポートする公的機関です。
金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会が公的な保証人となることで、融資審査の通過率を高める役割を果たします。

中小企業や小規模事業者は、大企業に比べて経営基盤が弱く、金融機関からの融資を受けにくい傾向にあります。
特に創業間もない企業や、業績が不安定な企業は、金融機関にとってリスクが高いと判断されがちです。
そのような場合に、信用保証協会が企業と金融機関の間に立つことで、円滑な資金調達を可能にします。

信用保証協会の主な役割は特に以下の3つです。

  1. 中小企業・小規模事業者の信用力を補完する
  2. 金融機関の融資リスクを軽減する
  3. 中小企業・小規模事業者の資金調達を円滑化する

さらに、信用保証協会は全国47都道府県に1カ所ずつ設置されていますので、日本全国どこにいても、近くの信用保証協会を利用することができます。

2.信用保証協会の仕組み

信用保証協会の仕組みは、一見複雑に見えるかもしれませんが、基本的な流れは以下の通りとなります。

  1. 中小企業・小規模事業者が金融機関に融資を申し込む
  2. 金融機関が信用保証協会に保証を依頼する
  3. 信用保証協会が審査を行い、保証を承諾する
  4. 金融機関が融資を実行する
  5. 中小企業・小規模事業者が返済を行う

この仕組みの中で、信用保証協会は「保証人」としての役割を果たします。
つまり、万が一、企業が返済できなくなった場合には、信用保証協会が金融機関に代わって返済(代位弁済)を行います。
これにより、金融機関は貸し倒れのリスクを軽減でき、より積極的に融資を行うことができるのです。

ただし注意が必要なのは、代位弁済が行われた後、企業と連帯保証人は信用保証協会に対して弁済する義務が生じることです。
つまり、信用保証協会を利用したからといって、返済の責任がなくなるわけではありません。

3.信用保証協会の保証制度

この信用保証協会には様々な保証制度があります。次に主な保証制度をいくつかご紹介していきます。

①一般保証

一般保証は最も基本的な保証制度で、中小企業・小規模事業者が事業資金を調達する際に利用できます。
保証限度額は2億8000万円(うち無担保保証は8000万円)で、保証期間は運転資金の場合は7年以内、設備資金の場合は10年以内となっています。

②小口零細企業保証

小規模事業者向けの保証制度で、従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の企業が対象となります。
保証限度額は2000万円で、信用保証協会が100%保証するため、審査に通りやすいのが特徴です。

③流動資産担保融資保証(ABL保証)

売掛債権や棚卸資産を担保として融資を受ける際に利用できる保証制度です。
保証限度額は2億円で、保証期間は1年間(個別保証の場合は1年以内)となっています。

④借換保証

複数の保証付き融資を一本化して借り換える際に利用できる保証制度です。
返済期間を長期化し、毎月の返済額を減らすことができるため、資金繰りの改善に効果的です。

⑤経営力強化保証

金融機関と認定経営革新等支援機関が連携して、中小企業の経営力強化をサポートする保証制度です。事業計画の策定から実行まで、総合的な支援を受けられるのが特徴です。

これらの保証制度は、企業の状況や目的に応じて選択することができます。
どの保証制度を利用するべきか迷った場合は、最寄りの信用保証協会に相談するのがよいでしょう。

4.信用保証協会を利用するメリット

このような信用保証協会の保証制度を利用することで、中小企業・小規模事業者にはいくつかのメリットがありますのでご紹介します。

①融資を受けやすくなる

信用保証協会が保証人となることで、金融機関のリスクが軽減され、融資を受けやすくなります。

②無担保・第三者保証人不要の融資が可能

一定の条件を満たせば、担保や第三者保証人なしで融資を受けられる場合があります。

③長期・固定金利の融資が可能

信用保証協会の保証付き融資は、長期かつ固定金利で借り入れできることが多いです。

④経営支援を受けられる

信用保証協会は融資だけでなく、経営相談や各種セミナーなども実施しています。

⑤信用力の向上

信用保証協会の保証を受けることで、企業の信用力が向上し、取引先からの信頼も高まる可能性があります。

これらのメリットを活用することで、より安定した経営基盤を築くことができるでしょう。

5.信用保証協会を利用する際、注意点はある?

信用保証協会を利用する際には、もちろんメリットだけではなく、いくつかの注意点があります!
以下で注意点についてお伝えしていきましょう。

①保証料の支払い

信用保証協会を利用する際には、保証料を支払う必要があります。保証料率は企業の信用リスクに応じて決定されます。

②返済義務

信用保証協会が代位弁済を行った場合でも、企業には返済義務があります。代位弁済後は信用保証協会に対して返済を行う必要があります。

③審査がある

信用保証協会を利用する際にも審査があります。また、金融機関の審査に加えて、信用保証協会の審査も通過する必要があります。

④利用条件がある

信用保証協会を利用するには、一定の条件を満たす必要があります。業種や企業規模、所在地などの条件があるため、事前に確認が必要です。

⑤経営状況の報告義務

一部の保証制度では、定期的に経営状況を報告する義務があります。

これらの点に注意しながら、信用保証協会を活用することが重要ですので、事前に理解を深めた上で利用しましょう。

6.熊本県の信用保証協会はどこにある?

熊本県にお住まいの方や、熊本県で事業を営んでいる方にとって、熊本県信用保証協会は身近な存在です。
本所の他に、各エリアに支所が2つ設置されているため、熊本県内のどの地域でも、近くの窓口で相談することができます。

以下に熊本県信用保証協会の概要をご紹介していきます!

【熊本県信用保証協会】
住所:熊本市中央区南熊本4丁目1番1号
営業時間:9:00~17:15 ※土日祝定休日
TEL:096-375-2000(代)
※熊本県内の支所:八代支所、天草支所

熊本県信用保証協会

熊本県信用保証協会では、一般的な保証制度に加えて、熊本県独自の保証制度も用意されています。

例えば、「熊本県創業者支援資金融資保証制度」や「くまもとグリーン保証制度」などがあります。
これらの制度は、熊本県の地域特性や産業構造を考慮して設計されているため、地元企業にとって利用しやすいものとなっています。

また、熊本県信用保証協会では、経営相談や各種セミナーの開催など、金融面以外のサポートも充実しています。
例えば、創業支援セミナーや事業承継相談会などが定期的に開催されており、企業のライフステージに応じた支援を受けることができます。

熊本県信用保証協会を利用する際は、まずは電話やWEBサイトで相談することをおすすめします。
経験豊富な職員が、あなたの事業内容や資金ニーズに合わせて、最適な保証制度を提案してくれるでしょう。

7.信用保証協会を活用する際のポイント

次に、信用保証協会を効果的に活用するには、以下のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。

①事前準備を怠らない

融資を申し込む前に、事業計画書や資金計画書をしっかりと準備しましょう。これらの書類は、金融機関や信用保証協会の審査で重要な役割を果たします。

②適切な保証制度を選ぶ

様々な保証制度がある中で、自社の状況に最も適した制度を選ぶことが重要です。迷った場合は、信用保証協会に相談するのがよいでしょう。

③金融機関との関係を大切にする

信用保証協会を利用する場合でも、金融機関との良好な関係は重要です。日頃から情報交換を行い、信頼関係を築いておくことが大切です。

④経営支援サービスを活用する

信用保証協会が提供する経営相談やセミナーなどの支援サービスを積極的に活用しましょう。これらのサービスは、経営力の向上に役立ちます。

⑤返済計画を立てる

融資を受けた後は、確実に返済できるよう計画を立てましょう。返済が困難になりそうな場合は、早めに金融機関や信用保証協会に相談することが重要です。

⑥情報収集を怠らない

信用保証協会の制度は時々変更されることがあります。常に最新の情報をチェックし、自社に有利な制度があれば積極的に活用しましょう。

⑦専門家のアドバイスを受ける

税理士や中小企業診断士などの専門家のアドバイスを受けることも有効です。専門家の視点から見た経営改善策や資金調達の方法を提案してもらえるでしょう。

これらのポイントを押さえながら信用保証協会を活用することで、よりスムーズで効果的に資金調達することができるでしょう。

当社では、信用保証協会に関してのご質問やご相談も随時受け付けております。
「何から手を付けていいのかわからない!」
「どの制度を利用したらいいのかわからない!」
というお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

8.信用保証協会と金融機関にはどんな関係があるの?

信用保証協会と金融機関は、中小企業・小規模事業者の資金調達をサポートするパートナーとしての関係にあります。
両者の連携が円滑に行われることで、企業は必要な資金を調達しやすくなります。

金融機関は、融資の審査を行う際に、信用保証協会の保証を活用することで、リスクを軽減できます。
一方、信用保証協会は、金融機関との連携を通じて、より多くの中小企業・小規模事業者をサポートすることができます。

ただし、信用保証協会の保証があるからといって、金融機関の審査が不要になるわけではありません。
金融機関は独自の審査基準に基づいて融資の可否を判断します。
そのため、信用保証協会を利用する場合でも、金融機関との良好な関係を築くことが重要です。

また、近年では「責任共有制度」が導入され、融資のリスクを金融機関と信用保証協会で分担するようになっています。
これにより、金融機関も一定のリスクを負うことになり、より慎重な審査が行われるようになっています。

9.信用保証協会の利用手順は?

最後に信用保証協会を利用する際の一般的な手順をご紹介します。
実際の手順は、利用する保証制度や金融機関によって多少異なる場合がありますので、事前に必ず信用保証協会に確認しましょう。

①事前準備

まず、自社の財務状況や事業計画を整理し、必要な資金額や返済計画を明確にします。また、利用可能な保証制度についても事前に調べておくとよいでしょう。

②金融機関への相談

取引のある金融機関に融資の相談をします。この際、信用保証協会の保証付き融資を希望する旨を伝えます。

③信用保証協会への事前相談

必要に応じて、信用保証協会に直接相談することもできます。保証制度の詳細や申込手続きについて、アドバイスを受けることができます。

④必要書類の準備

金融機関や信用保証協会から指示された必要書類を準備します。一般的には、決算書や事業計画書、資金使途の明細などが必要となります。

⑤金融機関への融資申込

準備した書類を添えて、金融機関に正式に融資を申し込みます。

⑥金融機関による審査

金融機関が融資の審査を行います。この段階で、金融機関が信用保証協会に保証依頼を行います。

⑦信用保証協会による審査

信用保証協会が保証の可否を審査します。必要に応じて、追加資料の提出や面談を求められる場合があります。

⑧保証承諾

審査の結果、保証が承諾されると、信用保証協会から金融機関に保証承諾書が送付されます。

⑨融資実行

金融機関が融資を実行します。この際、信用保証協会に対して保証料を支払う必要があります。

⑩返済

融資契約に基づいて、金融機関に返済を行います。

⑪経営状況の報告

一部の保証制度では、定期的に経営状況を報告する必要があります。

基本的には以上の手順を踏まえて、計画的に信用保証協会の利用を進めていくことが重要です。

10.さいごに

いかがだったでしょうか?
信用保証協会は、中小企業・小規模事業者の資金調達を支える重要な役割を果たしており、利用するメリットと注意点を理解した上で活用することが重要です。

資金調達に悩んでいる方、事業拡大や新規事業に挑戦したい方は、ぜひ信用保証協会の活用を検討してみてください。
地域の金融機関や信用保証協会に相談することで、自社に最適な資金調達方法が見つかるかもしれません。

信用保証協会を上手に活用するために、ぜひ当社のような税理士等の専門家に事前にご相談いただくと、よりスムーズで効率的に信用保証協会を利用することができますので、もしご興味のある方は税理士法人ストラテジーまでお気軽にご相談くださいませ!