法人や個人事業主の方にとって、請求書の支払いは負担となることがあります。時期が合えばうまく乗り切れるのに、というケースもあるでしょう。そんな時に便利なのが「請求書カード払い」です。このサービスを利用すれば、受け取った請求書をクレジットカードで支払うことができ、支払いまでの日程を調整できます。最大60日間の猶予ができるため、キャッシュフローの改善に役立ちます。
また、即日で振込が可能なサービスもあり、急な支出にも柔軟に対応できます。中小企業や個人事業主が資金繰りを効率的に改善するための有効なツールとして、請求書カード払いは不可欠なツールです。本記事では、法人・個人事業主の方におすすめの請求書カード払いサービスを厳選しました。それぞれの特徴や手数料、対応カードについて解説します。
請求書カード払いおすすめ11選!個人事業主も利用OK
請求書カード払いはクレジットカードの締切日を利用して、支払日を最大60日間延長できるサービスです。特典やポイントを活用しながら、支払期限を延ばすことが可能です。さらに、登録や利用が簡単で、即日で取引先への振込が完了するサービスも多く存在しています。
ここからは、法人・個人事業主の方におすすめの請求書カード払いサービス10選を紹介し、それぞれの特徴について比較します。とくに、「手数料」や「取引先への入金スピード」「クレジットカードのブランド」にはサービスごとに特徴があるため注目です。また、後半では、手数料を実際に支払った場合の比較もまとめています。ぜひ最後までご覧ください。
それぞれ順に解説します。
支払い.com
手数料 | 一律4%(税込4.4%) |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最長60日間 |
取引先への入金スピード | 最短で翌日 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:1万円(1振込あたり) |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB、 セゾンカードが発行するアメリカン・エキスプレス(アメックス) |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社UPSIDER |
支払い.comは、FinTech企業の株式会社UPSIDERと、大手クレジットカード会社の株式会社クレディセゾンが共同で運営しているサービスです。利用企業が60,000社突破し、手数料は分かりやすい一律4%の設定です。審査が原則不要で最短60秒で登録が完了。UPSIDERカードやセゾンカードの利用で前営業日の正午までに決済が完了すれば、最短で翌日には振込が完了します。
利用できるカードブランドは、VISA、Mastercard、セゾンカードが発行するアメリカン・エキスプレスやJCBカードなど。ひとつの請求書を複数のクレジットカード利用枠を使って支払う「複数カード払い」機能が非常に便利です。対象のカードブランドが豊富であり、振込先ごとにカードを使い分けることも可能。他のサービスでは利用不可が多いデビットカード、プリペイドカードも含めて利用できます。デビットカード、プリペイドカードの場合は決済と同時に引き落としが実行される点のみ、注意しましょう。
さらに、法人格であれば請求書カード払い業界で唯一、社会保険料の支払いにも対応しています。
支払い.comの公式サイトへINVOYカード払い
手数料 | 通常:3% ※利用申込額10万円以下の場合:一律3,000円 月間200万円以上の利用:別途、手数料をご案内 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日間 |
取引先への入金スピード | カード決済後、3営業日以内 ※96%が最短1営業日以内に振込完了 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB(ただし、JCBブランドで発行されたプリペイドカードを除く) |
サービス対象 | 法人、個人事業主、フリーランス |
運営会社 | FINUX株式会社 |
INVOYカード払いは、登録者数10万ユーザー以上、累計取扱高100億円以上の請求書カード払いサービスです。カード決済後、取引先に3営業日以内の振込となり、96%が最短1営業日以内に振り込まれています。振込日を指定する場合は申込日から4営業日後〜最大30日後まで指定可能です。また、カードブランドはVISA、Mastercard、JCBが対象で、個人カードの利用も可能です。
手数料は最安水準値の一律3%です。利用申込金額が10万円以下の場合のみ、一律3,000円の手数料が必要です。現在、INVOYカード払いではキャンペーンを実施中で、10万円以下のカード払いの手数料が安くなっています。
【キャンペーン手数料】
・1万円以上のカード払い手数料:一律3%
・1万円未満のカード払い手数料:一律300円
キャンペーンの適用は規定の申込件数に達し次第終了しますので、検討中の場合はお早めの利用をお勧めします。
INVOYカード払いの公式サイトへラボル カード払い
手数料 | VISA・Mastercard:3% JCB:3.5% |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最長60日間 |
取引先への入金スピード | 最短60分/24時間365日即時振込 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:1万円 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB(プリペイドカードは除く) |
サービス対象 | 法人、個人事業主、フリーランス |
運営会社 | 株式会社ラボル |
ラボルカード払いは、日本最大級の専門家登録を誇る資金情報ポータルサイト「資金調達プロ」を運営する株式会社ラボルが提供しているサービスです。手数料は、VISAとMastercardで3%、JCBで3.5%という低さに抑えられており、審査から入金までのスピードが早く、入金まで最短60分。審査が完了したあと、24時間365日、即時振込が行われます。振込時には名義を自由に設定でき、振込手数料もかかりません。初回利用時のみ審査が実施され、以降は簡単に利用できるようになっています。
担保や保証人も不要で、フリーランスも利用できます。発行された請求書だけでなく、支払案内メールなどでも申請が可能です。株式会社ラボルは、おすすめ10選でも紹介している株式会社ネットプロテクションズ(NP掛け払い 請求書カード払いを運営)と2024年に業務提携し、また、東京大学 大学院工学系研究科との共同研究を開始。業務規模、サービスの効率的運用を拡大させています。
ラボル カード払いの公式サイトへマネーフォワード 請求書カード払い
手数料 | 事業実績により2.4%(税別)/2.7%(税別) ※利用金額10万円以下の場合:一律3,000円 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最長60日間 |
取引先への入金スピード | 最短2営業日 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:1万円 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
サービス対象 | 法人、個人事業主、フリーランス |
運営会社 | マネーフォワードケッサイ株式会社 |
マネーフォワード 請求書カード払いはスマートフォンでも申込みが完結できるサービスで、申込みから通常1営業日程度で手続き可能です。手数料は業界最安水準に設定されています。
【手数料】
・外部投資家(VC,CVCなど)からの調達実績がある または 予定のある法人企業:2.4%(税別)
・上記以外の法人企業・個人事業主:2.7%(税別)
・10万円以下の利用:一律3,000円(税抜)
個人事業主でも業界最安水準の2.7%で利用でき、カード決済から最短2営業日後の指定日に取引先へ振込手続きが完了します。振込の実行は、5日/10日/15日/20日/25日/末日からの選択で、土日祝日に該当する場合は前営業日に振り込みが実行されます。
カードブランドは国内で発行されたVISA、Mastercard、JCBのクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードが利用可能です。デビットカード・プリペイドカードについては決済時に引き落としが実行されるためご注意ください。また、運営企業のマネーフォワードでは、マネーフォワード 請求書カード払いに対応したマネーフォワード ビジネスカードを取り扱っています。請求書カード払いの決済がさらにスムーズに完了しますので、年会費無料のビジネスカードを検討してみてはいかがでしょうか。
マネーフォワード 請求書カード払いの公式サイトへLP 請求書カード払い
手数料 | 2.95% ※最低支払手数料600円 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最長60日間 |
取引先への入金スピード | 振込日時を指定してカード決済後、最短即日に支払い |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社リンク・プロセシング |
LP 請求書カード払いは、業界最低水準となる2.95%の手数料で利用でき、導入時や月々の固定費は一切発生しません。主要カードブランドのVISA、Master、JCBに対応し、申込日からすぐに利用可能です。
取引先の請求書でそのままカード決済ができ、支払い期限を最大60日まで延長でき、通常のカード利用と同様にポイントも付与されるため、経費の有効活用にもつながります。
申込みから利用開始までスピーディーなのが特徴。オンラインならではの手軽さで、手続きは最短1分で完了します。法人なら追加書類なし、個人事業主は顔写真付きの身分証明書が必要ですが、24時間365日いつでも支払い処理が可能です。
運営はFinTech企業の株式会社リンク・プロセシング。クレジットカード・電子マネー・QRコード決済・口座振替などのキャッシュレス決済ソリューションを提供しています。
LP 請求書カード払いの公式サイトへフリーウェイ請求書カード払い
手数料 | 通常2.7% (手数料が600円を下回る場合は、600円を適用) ※キャンペーン時期あり |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日間 |
取引先への入金スピード | カード決済完了後、即日~3営業日以内 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
サービス対象 | 法人、個人事業主、フリーランス |
運営会社 | 株式会社フリーウェイジャパン |
フリーウェイ請求書カード払いは、シリーズ製品で累計40万ユーザー以上を誇るフリーウェイジャパンが提供するサービスです。手数料は業界最安クラスの2.7%(最低手数料:600円)で、キャンペーン期間中はさらに低い手数料率が設定されます。取引先への入金は、クレジットカード決済が完了してから最短即日、遅くても3営業日以内に行われるため迅速な資金調達が可能です。カードブランドは、VISA、Mastercard、JCBに対応し、操作方法についてもログイン後の画面で問い合わせフォームがあります。メールでサポートを受けられるので請求書カード払いをはじめて利用する場合でも安心です。
また、フリーウェイ請求書カード払いには同一名称で「請求者向け」のサービスもあり、クレジットカード決済を可能にするURLリンクを請求先に送付可能です。フリーウェイでは、支払いと請求、どちらでもクレジット決済を可能にするサービスをそろえており、資金繰りをスムーズにサポートします。
請求書カード払い by GMO
手数料 | 3.0% ※1取引あたりの最低手数料:1,500円(非課税) |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大約60日間 |
取引先への入金スピード | 最短当日 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | Visa、Mastercard、アメリカン・エキスプレスビジネス・カード |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | GMOペイメントゲートウェイ株式会社 |
GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する請求書カード払い by GMOは、10万件以上の売掛債権の審査を実施し、年間10兆円超えの取引実績があります。シンプルな手続きで、法人情報とカード情報を入力するだけで利用がスタート。会員登録、請求書情報の入力、クレジットカード番号の登録の3ステップで申請が完了し、手数料は業界最低水準の3.0%に抑えられています。
GMOペイメントゲートウェイ所定の審査が設定され、セキュリティを強化。カードブランドは、VisaとMastercardの国際ブランドに加えて、2024年10月からアメリカン・エキスプレスビジネスカードにも対応。多様なクレジットカードを利用できる点も特徴です。
NP掛け払い 請求書カード払い
手数料 | 振込金額の3.0%(税込) ※振込金額が1万円以下の場合、利用手数料:一律300円(税抜) |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日間 |
取引先への入金スピード | 基本的に3営業日以内 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | Visa、JCB、Mastercard |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社ネットプロテクションズ |
NP掛け払い 請求書カード払いは、株式会社ネットプロテクションズが提供しているサービスです。2023年10月のサービス提供開始以降、利用企業数は約67万社に達し、決済金額が1ヶ月あたり1億円を突破しました。NP掛け払い 請求書カード払いは事前の書類提出は不要で、登録の翌営業日から利用可能。クレジットカード決済を行った日から最短3営業日後に振込が行われ、土日・祝日を除く毎営業日を指定できます。カードブランドは、JCB、Visa、Mastercardを利用可能です。(海外のカード会社が発行したクレジットカード 、およびJCBブランドで発行されたプリペイドカードは対象外)
同社のよく似た名称のサービス「NP掛け払い」は請求側が利用できるサービスで、2011年から運用されています。もちろん、このNP掛け払いの請求書もNP掛け払い 請求書カード払いで支払いが可能です。支払い側、請求側、両方のサービスを展開しており、スムーズな後払い決済をサポートしています。運営企業ネットプロテクションズは、前出のラボル カード払いを運営する株式会社ラボルと業務提携しており、サービスへの登録企業数についても1,000社/月のペースで増加している急成長中の企業です。
1click後払い
手数料 | 一律3.8%(税込) 最低手数料:5,000円 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日 |
取引先への入金スピード | カード決済後、最短3営業日で取引先へ振込 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | Visa、JCB、Mastercard |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社ROBOT PAYMENT |
1click後払いを提供する株式会社ROBOT PAYMENTは20年以上の決済代行事業の実績を持つ東証グロース上場企業で、年間のカード決済取扱金額は約950億円を超えています。スマホやPCで請求書の写真を送り、フォーム入力だけでオンライン申込が完了。審査や書類のやり取りは不要で、カード決済の完了後、原則として最短3営業日以内に取引先への入金が行われます。
決済手数料は分かりやすい一律3.8%(最低手数料は5000円)で、最安レベルに設定。請求書情報や振込先情報を1click後払いのフォームに登録するだけで、最短60秒で利用を開始できます。
DGFT請求書カード払い
手数料 | 3.0%(税込) ※利用申込金額が10万円以下の場合は一律300円 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日 |
取引先への入金スピード | カード決済後、3営業日以内 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | Visa、Mastercard、JCB、SAISON CARD、Diners Club |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 株式会社デジタルガレージ |
DGFT請求書カード払いは、国内最大規模の決済プラットフォーム事業を誇る東証プライム上場企業・株式会社デジタルガレージが提供するサービスで、利用企業は30,000社を突破しています。請求書情報とカード情報だけで申請が完了し、カード決済後、取引先へ3営業日以内に振り込まれます。日にちの指定も可能です。
カードブランドはVisa、Mastercard、JCB、SAISON CARD、そして国内で唯一、Diners Clubカードにも対応しています。対象ブランドが多く、法人カードに加えて個人で発行したカードも利用できるため、カードごとに支払い先を多様に使い分けられます。手数料は一律3%(利用金額1万円以下は一律300円)と業界最低水準であり、適格請求書保存方式(インボイス制度)にも対応。低コストで資金繰りを改善できます。
弥生 請求書カード払い
手数料 | 通常は3.5%(税込) ※2025年1月7日までのキャンペーン期間中は2.7% ※請求あたりの最低支払手数料:390円 |
---|---|
最長支払い延長期間 | 最大60日 |
取引先への入金スピード | カード決済後、最短即日から3営業日以内 |
利用額の上限と下限 | 上限:設定なし(カードの利用限度額内) 下限:設定なし |
取扱カードブランド | Visa、Mastercard(クレジット・デビット・プリペイドカード) |
サービス対象 | 法人、個人事業主 |
運営会社 | 弥生株式会社 |
弥生株式会社が提供する弥生 請求書カード払いは、 支払う請求書をサービス画面からアップロードし、振込実施日や振込先口座などの必要情報を登録するだけで、最短即日で請求書の支払いが実施されます。Visa、Mastercardブランドのクレジット・デビット・プリペイドカードが利用可能です。ただし、デビット・プリペイドカードでは支払いの際に即時決済になる点に注意しましょう。
弥生 請求書カード払いは手数料のキャンペーンを実施中です。通常は利用金額の3.5%(最低支払手数料は390円)ですが、2025年1月7日までの期間限定で業界最低水準の2.7%で提供しています。
請求書カード払いとは請求書の支払いをクレカ決済で先延ばす
請求書カード払いは従来の銀行融資やファクタリングとは異なり、審査期間の短さや手数料の安さの面で多くのメリットがあります。急な支払いへの対応や資金繰りの調整が可能となるだけでなく、クレジットカードの利用によって支払い関連の一元化も図れます。ここからは審査期間や手数料など、請求書カード払いサービスと銀行融資との違いについて解説します。
それぞれ順に解説します。
請求書カード払いと銀行融資等との違いは審査期間の短さ
銀行融資を利用する際には、一般的に厳しい審査が必要です。多くの場合、指定された期間分の決算書類や申込書類、預金残高の証明書が必要であり、審査に日数を要するケースもあります。資金が必要な時期でも迅速な融資が難しいケースもあり、資金繰りの計画を立てにくい点がネックです。銀行融資の次によく比較されるのが、売掛金を現金化するファクタリングサービスです。ファクタリングサービスの場合は必要書類や審査が銀行よりも簡易になるものの、事業内容や収支など、借り入れについて一定の審査が行われます。
一方、請求書カード払いはクレジットカードの支払いを基準としているサービスのため審査もシンプルであるケースが多く、手続きが非常に簡単です。利用登録を行えばすぐに利用できるサービスがほとんどであるため、スムーズに取引先への振り込みが完了します。取引先の商慣習により決済方法が「振込のみ」「クレジットカード決済不可」に指定されていても支払いにクレジットカードを使えて、先方にカード決済を知られることがありません。
請求書カード払いとファクタリングとの違いは手数料の安さ
請求書カード払いは、ファクタリングと比較して手数料が低いことも大きなメリットです。ファクタリングでは売掛金の現金化ができるものの、一定の審査に加えて手数料もかかります。ファクタリングの手数料は契約方式やサービスによって異なり、一般的に、1~9%程度で利用できる3社間ファクタリングと、10%を超える2社間ファクタリングがあります。請求書カード払いサービスの2.0%~4.0%程度の手数料と比べると、高額化する可能性が高いといえます。
このように、請求書カード払いは簡易な手続きで利用でき、手数料も他のサービスと比べて割安で済むというメリットがあります。また、クレジットカードを利用するため支払い関連を一元管理でき、経理業務の効率化が図れます。とくに、大きな支払額からクレジットカードのポイント還元が受けられる点は、他にはないメリットでしょう。還元率の高いクレジットカードであれば、実質的な手数料を軽減できます。
請求書カード払いサービスの選び方!利用前に確認しよう
請求書カード払いサービスを選ぶ際には、手数料やカードブランドなど、チェックしておきたい項目があります。とくに手数料については各社特徴があり、利用額が大きいほど割安になるサービスもあれば、少額からお得に利用できるサービスもあるため比較しておきたいポイントです。ここから、手数料や利用できるクレジットカードブランドの特徴について解説します。
手数料の安さで選ぶ!各サービスを比較して経費削減
多くのサービスでは、手数料が3.0%から4.0%の範囲に設定されていますが、中には2%台に設定しているサービスもあります。また、利用には最低手数料が設定されているケースもありますので、利用額ごとの手数料について比較してみましょう。
サービス | 手数料 | (例)1万円の利用 | (例)10万円の利用 |
---|---|---|---|
支払い.com | 一律4%(税込4.4%) ※下限:1万円 | 400円 (税込440円) | 4,000円 (税込4,400円) |
ラボル カード払い | VISA・Mastercard:3% JCB:3.5% ※下限:1万円 | VISA・Mastercard:300円 JCB:350円 | VISA・Mastercard:3,000円 JCB:3,500円 |
マネーフォワード 請求書カード払い | 2.4%~(税別) ※10万円以下:一律3,000円 | 一律3,000円 | 2,400円 |
INVOYカード払い | 通常:3% ※10万円以下は一律3,000円 | 一律3,000円 | 3,000円 |
フリーウェイ請求書カード払い | 通常2.7% (最低手数料600円) | 最低手数料600円 | 2,700円 |
LP 請求書カード払い | 2.95% (最低支払手数料600円) | 最低手数料600円 | 2,950円 |
請求書カード払い by GMO | 300円 | 3,000円 | |
NP掛け払い 請求書カード払い | 3.0%(税込) | 300円 | 3,000円 |
1click後払い | 一律3.8%(税込) 最低手数料:5,000円 | 最低手数料:5,000円 | 最低手数料:5,000円 |
DGFT請求書カード払い | 3.0%(税込) | 10万円以下の場合は一律300円 | 10万円以下の場合は一律300円 |
弥生 請求書カード払い | 通常3.5%(税込) キャンペーン期間中2.7% ※最低手数料:390円 | 最低手数料:390円 | 通常:3,500円(税込) キャンペーン:2,700円 |
上記のように、請求書カード払いであれば数千円の手数料で利用できます。クレジットカードのポイント還元も含めると、さらに割安感があるのではないでしょうか。仮に、手数料が3.0%でカードポイントの還元が1.0%であれば、実質2.0%で利用できます。請求書カード払いはクレジットカードの利用限度枠内での利用となるため大規模な資金調達には向きませんが、少額でも手軽に利用でき、そのコストも比較的低く抑えられている点が特徴です。
支払いを先延ばしにできる期間で選ぶ!より長い猶予を
請求書の支払期日とクレジットカードの締め日・引落日によって異なりますが、一般的に支払いを最長60日程度、先延ばしが可能です。たとえば、請求書の支払期日が月末で、カードの締め日が27日・引落日が翌月27日の場合、支払いを57~58日間先延ばしできることがあります。多くのサービスで最長60日間の猶予が見込まれますので、カードの締め日・引落日を確認しておきましょう。また、請求書カード払いを利用した後は、クレジットカードの返済が重要です。請求額・引落日を確実に管理しましょう。
利用可能なクレジットカードブランドの豊富さで選ぶ
請求書カード払いサービスごとに、対応可能なクレジットカードブランドが異なります。やはり、ビジネスでよく利用するカードブランドや高ポイント還元のカードブランドが対象となっているサービスがおすすめです。
【利用可能なカードブランドが多いサービス】
サービス | クレジットカードブランド | 特徴 |
---|---|---|
支払い.com | VISA、Mastercard、JCB セゾンカードが発行するアメリカン・エキスプレス(アメックス) | ・アメリカン・エキスプレスカードOK ・複数カード払い機能 ・手数料:4% ・最短で翌日振込に対応 |
INVOYカード払い | VISA、Mastercard、JCB ※ただし、JCBブランドで発行されたプリペイドカードを除く | ・手数料:3% ・迅速な振込(最短1営業日)に対応 |
DGFT請求書カード払い | VISA、Mastercard、JCB、SAISON CARD(国内発行カードのみ) Diners Club | ・業界唯一、Diners Clubを利用可能 ・個人カードも利用可能 ・手数料:3% |
「DGFT請求書カード払い」は多様なブランドに対応しており、とくにDiners Clubを利用できる点が特徴です。「支払い.com」や「INVOYカード払い」も幅広いブランドに対応しつつ、迅速な振込を実現しています。さらに「支払い.com」ではひとつの請求書を複数のクレカ利用枠を使用して支払うことができる「複数カード払い」機能があります。カードの利用枠が足りない場合でも、1件の振込登録につき最大で5枚までのカード上限額を利用できます。
サービスによっては「国内発行のVISAのみ」「プリペイドカードを除く」など、制限のある部分もあります。デビットカード、プリペイドカードについては、決済をすると即時に引き落としが行われるため注意しましょう。それでも請求額の支払いでポイント還元を受けられるというメリットがあります。利用サービスを決める際には対象カードブランドについて、ぜひ押さえておいてください。
請求書カード払いのメリットは個人事業主も即導入可
請求書カード払いはスピーディーな審査と低い手数料が特徴で、個人事業主も利用しやすいサービスです。銀行融資やファクタリングと比較すると手続きが非常に簡便であり、書類準備などの時間的なコストも抑えられます。急な支払いが発生した場合でも対応できるため、非常に有効な選択肢です。利用する際には手数料や利用条件を十分に理解し、自社の状況に合ったサービスを選びましょう。
支払いを後払いにして経営の安定性を確保できる
通常の振り込みによる支払いの場合、請求書が発行されて1ヶ月程度で支払期日が来ますが、請求書カード払いを利用することで、支払いを最大で60日程度、先延ばしにできます。クレジットカードで決済後、カード利用の締め日が到来します。その翌月にクレジットカードの支払日が来るため、おおよそ30日超~60日程度の猶予ができる仕組みです。支払いを先延ばしにできるため、キャッシュフローの調整時間を稼げます。時期的な収入の変動がある場合や大口取引の遅れなどが発生した場合でも、一時的な資金調整のサポートとして最適です。
また、サービスによっては、プリペイドカードタイプやデビットカードタイプのカードも利用できる場合があります。利用してもクレジットカードの限度額に影響せず、ポイントが付くため実質的な手数料コストを抑えられるというメリットがあります。しかし、プリペイドカードやデビットカードは即時決済カードのため、支払いに使うと残高からすぐに引き落とされます。先延ばしにはならないという点に注意しましょう。
審査や書類の提出が必要なく最短即日に支払い完了
銀行融資は多くの書類や情報を必要とし、手続きに時間もかかる可能性があります。一方、請求書カード払いは簡単な書類提出で申請が可能です。請求書とクレジットカード情報を登録するだけで手続きが終わるため、振り込みが数日で完了します。代表的なスピード振込のサービスと、手数料の低さを確認してみましょう。
サービス | 振込スピード | その他の特徴 |
---|---|---|
ラボルカード払い | 最短60分/24時間365日即時振込 ※土日祝日でも申請可能 | 手数料:VISA・Mastercard 3%、JCB 3.5% (1万円未満の場合は300円) |
INVOYカード払い | 96%が1営業日以内に処理される | 手数料: 3% (1万円未満の場合は300円) |
請求書カード払い by GMO | 最短当日 | 3.0% (最低手数料:1,500円) |
フリーウェイ請求書カード払い | 即日~3営業日以内 | 手数料: 2.7% (最低手数料:600円) |
弥生請求書カード払い | 最短即日で振込 | 手数料: 2.7% (最低手数料:390円) |
振込の早いサービスの中でも「ラボルカード払い」は最短60分/24時間365日、即時振込が可能で、土日祝日も申請可能です。「弥生請求書カード払い」も最短即日での振込が可能で手数料は2.7%、しかも最低手数料が390円という最安レベルに抑えられています。
銀行融資やファクタリングより手数料が安いケースも
銀行融資は通常、2%から10%程度の利息がかかります。売掛債権を現金化するファクタリングサービスでも、5%から10%台の手数料が必要です。一方、請求書カード払いでは手数料が発生するものの2%台~4%程度が中心であり、支払いコストを抑えられます。「申し込んでみたら実際に適用される手数料が想定よりも高かった」という心配もなく、手数料は明確です。振り込みまでの日程も分かりやすく、制度やサービスそのものに安心感があます。
総量規制対象外の決済手段で事業拡大もスムーズ
請求書カード払いはクレジットカードを利用した支払い方法であるため、一般的にいう「融資」には該当しません。そのため、貸金業者からの借入を対象とした「総量規制」の対象外です。総量規制とは、貸金業法に基づいて定められた制度で、融資額を制限する法律を指します。
年収などを基準に、その3分の1を超える貸付けが原則禁止されています(総量規制)。例えば、年収300万円の方が貸金業者から借入れできる合計額は、最大で100万円となります。
「総量規制」は、個人事業者を含む個人向けの貸付け(つまり法人は対象外)において年収の3分の1を超える金額(合計額)の貸付けが制限されています。
個人向け(個人事業者を含む)の貸付けは、原則として総量規制の対象となります。
引用元:日本貸金業協会 総量規制について
総量規制は貸金業者からの借入を対象としているため、銀行からの借入は除外されているものの、銀行での融資審査は厳格です。少なくとも貸金業者による審査と同様、収入に占める借入の割合も含めて審査を実施している点に注意しましょう。
銀行融資や総量規制の対象になる融資方法を利用していると、将来的に大口の融資を受けたい場合に借入可能な枠が不足してしまいます。また、申込みの段階でも信用情報が参照され、返済が遅れた場合には不本意な情報が登録されます。ここで、請求書カード払いの利用であれば融資に該当しないため、信用情報や総量規制、融資の利用額には影響しません。信用情報に影響しない、総量規制の対象外であるという点では、ファクタリングサービスも同様です。ただ、利用しやすさの面、手数料の低さ、サービスへの安心感を含めて考えると、請求書カード払いの利便性が非常に高いといえます。
請求書カード払いの利用でも各社のポイントが貯まる
請求書カード払いでクレジットカードを利用すると、通常のカード利用と同じようにポイントやマイルが貯まります。請求に対する支払いをシンプルに振込で行う方法と比べて、ポイントやマイルが貯まりやすくなります。請求書カード払いの利用でポイント還元を受ければ、実質的な手数料も低く抑えられます。
また、法人税・地方税・消費税に加えて、附帯税(加算税、延滞税など)のクレジットカード納付も可能です。「国税クレジットカードお支払サイト」を通じての支払いになり、決済手数料がかかる点、領収証書が発行されない点に注意が必要ではあるものの、一般的な支払いと同様にカードのポイントが付与されます。このような支払い関係をクレジットカード決済で一本化すると支払い管理もしやすくなり、ポイント還元のメリットもさらに大きくなります。
取引先に知られずに利用できるので関係性を保てる
請求書カード払いを利用する最大のメリットの一つは、取引先に利用が知られない点です。たとえばファクタリングサービスの場合、サービス利用者とファクタリング会社だけで契約が完了する2社間ファクタリングであれば、取引先に請求書の買取りを知られることはありません。ただし、手数料は債権額の10%~が相場です。もう1つの方法、3者間ファクタリングの場合は手数料が~10%程度に抑えられるものの、ファクタリング会社と取引先で契約を結ぶ必要があるため、今後の取引先との関係性に影響を与える可能性があります。
請求書カード払いであれば、クレジットカードで手数料を含めた額を支払うだけで完了します。振込人氏名も指定の上で資金を振り込むため、取引先に経緯を知られることはありません。ただし、振込人の指定については誤入力や失念のないように注意しましょう。また、クレジットカードの支払いが遅れると信用情報に関わるため、利用額や支払期日の管理については十分な注意が必要です。
請求書カード払いの知っておきたいデメリット3選
設定されたカード利用限度額を超えた決済はできない
請求書カード払いでは、決済可能額はクレジットカードの利用限度額によって決まります。そのためカードの利用限度額を超える請求書の決済はできません。たとえば、カードの利用限度額が100万円の場合は120万円の請求書を決済できないため、別の支払い方法を探す必要があります。また、利用限度額はあっても、すでに当月中にカードを使っている場合は枠の残りが足りなくなるケースもあるため注意が必要です。
カードの利用限度額を超える場合には、複数のカードを使用するか、あるいはクレジットカードの利用枠を増やす方法を選択しましょう。「支払い.com」であれば、ひとつの請求書を複数のクレカ利用枠を使用して支払うことができる「複数カード払い」機能があるため対応可能です。利用枠を広げる方法であれば、クレジットカード会社に申請することで審査を受けられます。結果が分かるまでに時間を要する可能性もありますので請求書カード払いの前に利用状況を確認しておきましょう。また、支払い履歴に遅れがあると増枠が認められない可能性があるため、日ごろから残高管理・期日管理をしていくことが重要です。
猶予が最大60日程度なので一時的な資金繰り対策
請求書カード払いは、カード決済から口座引き落としまでの期間を活用した方法です。支払い期日を翌月または翌々月に遅らせることができるため、30日超~最長で2ヶ月近く引き伸ばせます。短期的な資金繰り改善に効果的で、緊急の支出や突発的な支払いに対応できるという特徴があります。ただし、カードの支払いサイクルに合わせた方法であるため、一時的な資金繰りである点に注意しましょう。
クレジットカードの締め日や支払いサイクルによってメリット期間は異なり、基本的に60日を超えることはできないため、根本的な資金繰りの問題を解決するものではありません。恒常的な資金不足が見込まれる場合や中長期的な資金繰りが見込まれるケースでは、他の金融商品やサービスを併用する必要があります。
個人事業主が利用できないサービスが一部ある
請求書カード払いは個人事業主でも利用できるサービスが大半ですが、特定の事業規模を対象としているケースもあるため、個人事業主が利用できない場合があります。請求書カード払いを検討する際には、各サービスの対象者を確認しましょう。当サイトで解説している10のサービスはすべて個人事業主を対象したサービスですので、安心して比較検討を行ってください。
利用の際にはサービス内容を十分に比較検討することが推奨されます。また、請求書カード払いの対象は、日本国内の法人が発行する請求書に限られます。海外企業や個人事業主が発行した請求書は対象外となるケースが多い点に注意が必要です。
請求書カード払いに関するよくある質問(FAQ)
請求書カード払いを利用する際のよくある質問を集めました。利用時の参考として確認しておきましょう。
楽天Payで請求書カード払いはできますか?
楽天Payは決済サービスの一種であるものの、クレジットカード払いではないため、請求書カード払いのサービスでは利用できません。請求書カード払いでは、VISA、Mastercard、JCBなどのブランドのクレジットカードの利用、1回払いに限定されています。
楽天ポイントを貯めたい場合は、楽天カードなど、上記の対応カードブランドを発行しているカードを利用する方法が考えられます。楽天カードを連携し、楽天キャッシュにチャージする方法が想定されますが、ポイント還元率が異なる可能性があるためご注意ください。
請求書カード払いでアメックスカードは使えますか?
多くの請求書カード払いでは、VISA、Mastercard、JCBなどのカードブランドを対象とするケースが多く、アメリカン・エキスプレス(アメックス)カードに対応している請求書カード払いは少ないのが現状です。その中で2024年10月から「請求書カード払い byGMO」ではアメリカン・エキスプレスビジネスカードが対応となりました。
また「支払い.com」では、セゾンカードが発行するアメリカン・エキスプレスカードが利用可能です。アメックスカードの利用を希望する場合は「請求書カード払い byGMO」や「支払い.com」の利用を検討してみてください。
土日祝日に請求書カード払いを利用できますか?
多くの請求書払いサービスでは、土日祝日でもオンラインでの申込が可能であり、クレジットカードでの決済が可能です。その後、各サービス企業から取引先への振り込みが行われますが、実際の振込日程はサービスによって異なる場合があります。振込は平日に実施されるケースが多く、土日祝日は振込処理が行われないことが一般的です。
また、銀行システムによっては入金処理が翌営業日になる可能性もあります。このように、請求書カード払いサービスは基本的に24時間利用できるものの、振込処理は営業日が中心となるため、はじめて請求書カード払いを利用する場合は早めに申込みや相談を実施しましょう。
請求書の金額に下限や上限はありますか?
請求書カード払いでは、利用額に下限を設けていない、または1万円~という設定が中心です。上限は各クレジットカードの利用可能額によって決まります。少額の請求書でも利用できるため、積極的に相談してみましょう。
また、同月内にクレジットカードを利用している金額と決済したい金額との兼ね合いに注意しましょう。クレジットカードのマイページなどで、当月の利用額や限度額を確認できます。また、スムーズな決済のためにも、クレジットカードの返済に遅れが生じないよう管理していきましょう。
借入やローンの審査で信用情報に影響がありますか?
まず、請求書カード払いの利用は借入とは異なる方法であるため、借入やローンの審査における信用情報に影響を与えることはありません。何度利用しても信用情報への登録は行われないため安心して利用できます。
金融機関から借りる場合など、一般的な借入の場合は信用情報をもとに審査が行われます。企業(法人)の場合は業績・収支見込などが審査され、個人・個人事業主は信用情報をもとに審査が行われます。
一方、請求書カード払いの利用は借入ではないため、信用情報には影響しません。ただし、クレジットカードの返済が遅れた場合は信用情報に履歴が残りますので、クレジットカードの利用額や返済日については適切に管理しましょう。