CONTENTSコンテンツ

コラム
経営

スタートアップ・ベンチャーのCFOの役割とは?活用するメリットを紹介

”CFO(シー・エフ・オー)”という言葉、聞いたことはあるけれど、「自分のビジネスにはまだ関係ないかも」「なんだか難しそう」こんな風に思っていませんか?

でも実は、CFOの考え方やサポートは、スタートアップやベンチャーこそ必要なものなんです。

創業してすぐの頃は、資金も限られ、毎日の意思決定もスピード勝負です。そんなときこそ、「数字の視点」で経営をサポートしてくれるCFOがいると、非常に心強いものです。

この記事では、

  • CFOってどんな人?何をしてくれるの?
  • なぜ今、スタートアップ界隈で注目されているの?
  • いつ、どんな形でCFOを迎えたらいいの?

といった疑問にお答えしながら、CFOを上手に活用するメリットや、実際の迎え方のポイントまでを解説していきます。

起業準備中の方や、これから事業をスケールさせていきたいと考えている方は、ぜひご一読いただけましたら幸いです!

目次

1.スタートアップ・ベンチャーにおける「CFO」とは?
 1.1.CFOってなに?
 1.2.CEOと何が違うの?
 1.3.なぜスタートアップやベンチャーにとってCFOが重要なの?
 1.4.起業準備中でも知っておきたい「CFOの考え方」
2.なぜ今、CFOが注目されているのか
 2.1.資金調達の難易度が上がってきている
 2.2.ビジネスのスピードが加速している
 2.3.IPO(株式上場)やM&A(会社の売却)を見据えた動き
 2.4.バックオフィスのプロ人材が流動化してきている
 2.5.スタートアップ支援の仕組みが整ってきた
3.CFOが担う主な役割とは
 3.1.①資金調達の戦略立案と実行
 3.2.②財務戦略とキャッシュフローの管理
 3.3.③予算管理とコスト最適化
 3.4.④会計・税務・法務の管理
 3.5.⑤経営判断の「裏付け役」
 3.6.⑥社内外とのコミュニケーションハブ
4.スタートアップ・ベンチャーにCFOを迎えるメリット
 4.1.①経営判断の精度が上がる
 4.1.②資金繰りに安心感が生まれる
 4.1.③投資家との信頼関係が築きやすくなる
 4.1.④CEOが本来の業務に集中できる
 4.1.⑤IPOやM&Aなど、将来の選択肢が広がる
 4.1.⑥社内の数字リテラシーが高まる
 4.1.⑦必ずしもフルタイムでなくてもOK
5.CFOをいつ、どのように迎えるべきか?
 5.1.起業初期:CFOの役割を「考え方」として取り入れる
 5.1.シード期〜プレシリーズA:外部のCFO的支援を受ける
 5.1.資金調達ラウンド以降:社内にCFOを抱える検討を
6.CFOを選ぶときのチェックポイント
 6.1.CFOは“経営の仲間”として迎えよう
7.まとめ

スタートアップ・ベンチャーにおける「CFO」とは?

起業を目指していると、「CEO」「CTO」「CFO」などの役職名を目にすることがあると思います。その中でも「CFO」は、特にスタートアップやベンチャー企業にとって重要なポジションのひとつです。

でも、「CFOって具体的に何をする人なの?」「ウチみたいな小さな会社にも必要なの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。そこで、まずCFOの基本的な役割と、スタートアップやベンチャーにおける意味合いについて、解説していきます!

CFOってなに?

CFOとは「Chief Financial Officer(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)」の略で、日本語にすると「最高財務責任者」。つまり、会社のお金まわりに関して全体を見渡し、戦略を立て、判断を下すプロフェッショナルです。

具体的には、以下のような業務を行っています。

  • 資金調達の戦略設計(銀行融資、ベンチャーキャピタルからの投資など)
  • 資金繰りの管理(お金の出入りを管理して、会社が倒れないようにする)
  • 財務計画の策定(どれくらいの売上・利益が出るかを見通す)
  • コスト管理(ムダな支出を減らし、必要なところに投資する)
  • 財務レポートや決算のチェック(会計や税務の最終確認も含む)

スタートアップでは、まだ利益が出ていなかったり、将来の見通しが不安定だったりすることが多いですよね。そんな中で、どうやって事業を成長させていくのか?どのタイミングで資金を入れ、どうやって使っていくのか?などについて悩むことも多いと思います。その“お金の司令塔”になるのがCFOです。

CEOと何が違うの?

起業初期では、CEO(代表)自らが資金調達や財務戦略もすべて担うことが多いですが、事業が大きくなるにつれて、より専門的な視点が必要になります。

  • CEO(Chief Executive Officer):会社全体のトップ。ビジョンや戦略を決めて引っ張る存在
  • CFO(Chief Financial Officer):会社の財務面からCEOを支え、現実的な計画を立てるパートナー

つまり、CEOが「理想を語る人」だとすれば、CFOは「それをどうやって実現するかを考える人」です。夢と現実の橋渡し役と言ってもいいかもしれません。

なぜスタートアップやベンチャーにとってCFOが重要なの?

スタートアップはスピード感が重要ですが、ほとんどのスタートアップは資金が限られています。だからこそ、限られたお金をどう使い、どう増やすかがとても大切です。

そこで、力を発揮するのがCFOです。

「このサービスを広げるために、あと◯千万円の資金が必要だ」
「今のコスト構造では半年後にお金が尽きてしまう」
「次の資金調達ラウンドまでに、売上◯倍を達成しないと厳しい」

こうした状況判断や計画立てを、感覚やノリではなく、数字に基づいてしっかり行うのがCFOの役割です。

起業準備中でも知っておきたい「CFOの考え方」

「まだ起業してないし、CFOなんて自分には関係ない」と思うかもしれません。たしかに、最初は人材も資金も限られていて、CFOを雇う余裕がない場合がほとんどです。
でも実は、CFO的な考え方を知っておくことは、起業前の皆様にも大きなヒントになります。

例えば、ざっくりといいので以下のようなことを考えておくと、失敗のリスクを減らし、成長していくことができる土台となります。

  • 売上や利益が出るまで、どれだけの期間・資金がかかりそうか?
  • 自己資金で足りるのか、それとも融資や投資を検討すべきか?
  • 月々どれだけの支出が見込まれるか? いつまでに黒字化できそうか?

スタートアップやベンチャーにとってのCFOは、単なる「お金の管理人」ではありません。事業の成長を実現するための、「お金の戦略家」です。

起業準備中の今だからこそ、CFOという存在の意味や価値を知っておくことで、これからの経営判断に大きな違いが生まれます。今後「CFO的な視点」で自分の事業を見てみると、意外な課題や改善点が見えてくるかもしれません。

なぜ今、CFOが注目されているのか

ここ数年、スタートアップ業界で「CFO」という役職が以前にも増して注目されるようになってきました。かつては「資金調達の時だけいればいい」というイメージもありましたが、今では「CFOの存在が会社の未来を左右する」と言っても過言ではありません。

ではなぜ今、CFOが重要視されているのでしょうか? その背景には、スタートアップを取り巻く環境の変化や、新しい経営のあり方が関係しています。

資金調達の難易度が上がってきている

スタートアップにとって「資金調達」は命綱のようなものです。アイディアがあっても、お金がなければ人も雇えず、開発も営業もできません。

一時期は、いわゆる「スタートアップバブル」と呼ばれるような状況で、事業計画が粗くても投資が集まることがありました。でも最近では、投資家たちがより厳しい目で事業の中身や数字を見るようになってきています。

このような状況の中でCFOは、調達した資金の使い道を説明したり、次の資金調達に向けての戦略を練ります。さらには、投資家に「この会社は成長する」と信じてもらえる数字を示す役割を担います。

つまり、ただお金を引っ張ってくるだけではなく、その裏付けとなる計画と説得力がCFOに求められているのです。

ビジネスのスピードが加速している

最近のスタートアップは、テクノロジーの進化や市場の変化も相まって、ものすごいスピードで成長を目指します。数年で上場を目指す企業も少なくありません。

こうしたスピード経営の中で、「勘と経験」だけで舵取りをしていると、資金がショートしたり、誤った投資判断をしてしまうリスクが高くなります。

ここでCFOが入ると、数字に基づいた冷静な判断やキャッシュフローのシミュレーション、リスク管理等を取り入れた、より堅実で持続可能な経営判断ができるようになります。

スピードが求められるからこそ、ブレーキ役のCFOがいることで暴走を防ぎ、安定した成長が実現できるのです。

IPO(株式上場)やM&A(会社の売却)を見据えた動き

スタートアップの出口戦略(イグジット)として、上場(IPO)や大企業による買収(M&A)を目指すケースはとても多くなっています。

このようなゴールに向かうには、社内の体制や財務状況、契約関係など、数字と制度の整備が欠かせません。例えば、

  • 適切な財務報告ができているか?
  • 株主構成は整理されているか?
  • 会計・税務上のリスクはないか?

こういった細かいけれど大事な部分を管理できるのがCFOです。特にIPOを目指す企業では、「CFOがいないと上場できない」とまで言われるほどです。

バックオフィスのプロ人材が流動化してきている

最近では、「フルタイムで雇うのは難しいけど、外部の専門家にお願いしたい」というニーズに応える、フリーランスCFOや非常勤CFOといった働き方も増えています。

これにより、小規模なスタートアップでも「必要な時にだけ、プロに相談する」ことができるようになり、CFO的な知見を取り入れやすくなってきました。

つまり以前のような、CFOは大企業のものという感覚ではなく、どんな規模の会社でも活用できる存在として身近になってきているのです。

スタートアップ支援の仕組みが整ってきた

国や自治体、民間のインキュベーターやアクセラレーターなど、起業支援の仕組みもどんどん充実しています。その中には、「CFO経験者が起業家にアドバイスする」ようなプログラムも増えており、CFOの専門性がスタートアップの成長に直結することが再認識されています。

事業環境の変化が早く、競争も激しい現代のスタートアップ業界。そんな中で、お金の視点から事業を見通せる人材=CFOの重要性はますます高まっています。

CFOはもはや「資金調達の担当」ではなく、事業の未来を数字でデザインする、心強い“右腕”なのです。

これから起業しようとしている皆様にとっても、CFO的な視点を持って動けるようになれば、周りのスタートアップに一歩差をつけられるかもしれません。

参考記事:「社外CFOの活用で企業成長を加速!5つのメリットと導入のポイント」

CFOが担う主な役割とは

ここまでで、CFOは「スタートアップにとって大事そう」というイメージは持っていただけたかもしれません。でも、実際にCFOはどんなことをやっているのか、具体的に知っておきたいですよね。

この章では、CFOがスタートアップ・ベンチャーで担う主な役割を、初心者の方にもわかりやすくご紹介します!

①資金調達の戦略立案と実行

スタートアップにとって一番身近なCFOの仕事といえば「資金調達」かもしれません。

起業直後は、自己資金や融資でなんとか回していたとしても、事業を拡大していくには、投資家からの資金調達(エクイティ・ファイナンス)が必要になることが多いです。

ここでCFOが活躍するのが、以下のような役割です。

  • 「どれくらいの金額を、どのタイミングで、誰から調達するのがベストか?」という戦略づくり
  • 投資家に提出する財務モデル(売上や利益の予測)やピッチ資料の作成
  • 投資家との交渉や契約内容の確認

お金の話になると、つい感情的になりがちですが、CFOは冷静に数字と事実をもとに交渉を進め、会社にとってベストな条件で資金を集めることが求められます。

②財務戦略とキャッシュフローの管理

「儲かってるのに、なぜかお金がない…」
スタートアップあるあるの一つです。

実際、利益が出ていても、入金のタイミングが遅れたり、支出が先に来たりすると、手元のお金が足りなくなってしまうことがあります。これをキャッシュフローの問題といいます。

CFOはこのような事態を避けるために、以下のような役割を果たします。

  • 毎月・四半期・年間の財務計画の作成
  • 売上・コスト・利益・キャッシュ残高などのKPI管理
  • お金の動きを見える化して、先手を打つ資金繰りの予測

要は、「今あるお金をどう配分し、どのくらいのペースで使っていいか」を、数字でコントロールするプロなんです。

③予算管理とコスト最適化

起業初期は特に、「できるだけムダなお金は使いたくない!」という気持ちが強いと思いますよね。
でも、何がムダで何が必要かは意外と判断が難しいものです。

そこでCFOは、必要な支出を不必要な支出を分けたり、売上に貢献しない費用を削減します。
また、設備投資や採用など、大きな出費の意思決定のサポートなどを行い、限られたリソースで最大の成果を出すためのアドバイスをしてくれます。

たとえば「広告費を月30万円使っているけど、それって本当にリターンが出てる?」というような問いを、数字で検証してくれるイメージです。

④会計・税務・法務の管理

スタートアップは夢やアイデアを形にすることに集中しがちですが、「会計」「税金」「法的な契約」などのバックオフィス業務も、事業運営には欠かせません。

  • 会計処理や決算の管理(※税理士と連携することも多い)
  • 税務リスクのチェック(過少申告や税務調査対策など)
  • ストックオプション設計や資本政策の検討
  • 契約書レビューやコンプライアンスの整備(法務との連携)

CFOは上記などの分野も幅広くカバーし、こうした“管理業務”をしっかり整備することで、将来的にIPO(上場)やM&A(売却)といったチャンスを逃さない体制が整っていきます。

⑤経営判断の「裏付け役」

CEOや創業メンバーが「この方向で行こう!」と判断する時に、そのアイデアを現実的に実行できるかを数字で裏付けをするのもCFOの役割です。

例えば、もっと人を雇いたい!となった場合に、人件費と売上見込みのバランスを見たり、事業展開をしたい!と考えた場合に、今の売上規模で実行できるか検討したりと、CEOの“攻めの判断”に対して、CFOは守りの視点を持ちつつ、より現実的な実行案を提示するパートナーなんです。

⑥社内外とのコミュニケーションハブ

最後に忘れてはいけないのが、「CFOは会社の信頼性をつくる存在」でもあるということ。

投資家に対して➡きちんと数字を管理していることを示す
社内のチームに対して➡目標や予算を共有し、みんなで達成に向かう仕組みを作る
社外(会計士・税理士・金融機関など)との調整役にもなる

といったように、CFOは社内外の“ハブ”としての役割も担います。
「お金のことを任せられる安心感」があると、経営全体がグッと安定するんですよね。

CFOの仕事は単なる“お金の管理”ではありません。未来の成長を見越して戦略を立て、その実行に責任を持ち、外部との信頼関係まで築いていく。まさに「数字で会社を動かすプロフェッショナル」です。

起業準備中の今こそ、「お金まわり」の大切さや、数字で未来を見る視点を少しずつ取り入れていきましょう。たとえCFOをまだ雇えなかったとしても、その考え方が今すぐにでも経営に役立てられます。

\財務戦略や資金調達ついてお困りの方はお気軽にご相談ください☺/

スタートアップ・ベンチャーにCFOを迎えるメリット

起業準備中の方にとって、「CFOがいた方がいいのは分かったけど、実際に何が変わるの?」と感じるかもしれません。

この章では、CFOをチームに迎えることで得られる、具体的なメリットをわかりやすく解説します。

①経営判断の精度が上がる

スタートアップの経営は、日々の意思決定の連続です。
「広告にいくらかけるか」「採用は今すべきか」「新規事業にチャレンジするか」――こうした判断をなんとなくの感覚や勢いで進めてしまうと、後で資金繰りが苦しくなったり、思ったように成果が出なかったりということも。

CFOがいれば、それぞれの判断に対して、数字による根拠を提示してくれます。

  • この施策をやった場合、3ヶ月後に売上がどのくらい伸びる見込みか?
  • 今の資金であと何ヶ月運営できるのか?
  • リスクを最小限にするには、どんな選択肢があるのか?

例えば、上記のような情報をもとに判断できるようになるので、結果として精度の高い経営が可能になるのです。

②資金繰りに安心感が生まれる

起業家の多くが「資金ショート」――つまりお金が足りなくなってしまう状況に悩まされます。

でもCFOがいれば、事前にキャッシュフローをしっかりと予測し、ムリのない予算設計を行い、最適なタイミングで資金調達の準備を始めることができます。

「資金が尽きるギリギリで慌てて動く」のではなく、前もって対策を立てられるのは、精神的にもかなりの安心材料です。

③投資家との信頼関係が築きやすくなる

投資家は「この会社は伸びるか?」と同時に、「ちゃんとお金を管理できるか?」という点も重視しています。

CFOがきちんと数字を管理している会社は、レポートや説明がわかりやすく、投資家からの信頼度もアップします。

とくに、資金調達のプレゼンや、月次の業務報告、株主とのミーティングのような場面で大きな差が出ます。

「この会社は安心して任せられる」と思ってもらえれば、次のラウンドの資金調達もスムーズに進む可能性が高まります。

④CEOが本来の業務に集中できる

起業したばかりの頃は、創業者(CEO)が、営業やマーケティング、経理まで何でも一人でこなしていることが多いですよね。

でもそれでは肝心のビジョン設計や事業成長のための戦略立案に集中する時間が削られてしまいます。

そこでCFOが入ることで、お金まわりの管理や分析を任せられるようになり、CEOは本来の「攻める仕事」にエネルギーを注げるようになります。

これは、起業フェーズが進むにつれて大きなメリットになっていきます。

⑤IPOやM&Aなど、将来の選択肢が広がる

将来的にIPO(株式上場)やM&A(他社への売却)を目指すスタートアップにとって、財務や法務の整備は必須です。ですが、それを「あとから整えよう」とすると時間もコストもかかってしまいます。

CFOが早い段階から体制を整えておけば、会計・税務の透明性が高まります。それに伴い、資本政策が整理され、投資家や外部からの監査に対応しやすくなるため、スムーズなイグジットが可能になります。

これは、創業メンバーや株主にとっても大きな安心材料になります。

⑥社内の数字リテラシーが高まる

CFOの存在は、「経営陣のサポート」だけにとどまりません。
数字に強いCFOが入ることで、チーム全体の“数字を見る目”も育っていきます。

KPIなどの数値目標をチームで共有することや、施策ごとの効果測定が習慣になります。
また、「この支出は本当に価値があるのか?」を考える文化が育つようにもなります。

など、数字に基づいた判断が会社全体で当たり前になるという、経営基盤の強化にもつながっていきます。

⑦必ずしもフルタイムでなくてもOK

「うちの規模でCFOを雇うのはまだ早いのでは…」という声もあるかもしれません。たしかに、フルタイムのCFOを採用するのはハードルが高い場合もあります。

でも最近では、以下のような柔軟な形でCFO的な知見を取り入れる手段が増えています。

  • 非常勤CFO(週1~2日の関与)
  • フリーランスの財務アドバイザー
  • 起業支援のアクセラレーターが派遣するCFO人材

「必要な時だけプロに相談する」という形でも、十分に効果を実感できるケースも多いので、ぜひ検討してみてくださいね。

スタートアップにとって、スピード感と柔軟性は武器です。でもそれだけでは、長く生き残るのは難しい時代。そんな中でCFOは、お金と数字の視点で事業を支え、将来の成長を描くための心強い味方になります。

「うちはまだ小さな会社だから…」と思わずに、早い段階から“CFOの考え方”を経営に取り入れてみると、見える景色が大きく変わってくるはずです。

CFOをいつ、どのように迎えるべきか?

ここまで読んで、「CFOがいると良さそうだな」と感じた方も多いと思います。ただし、スタートアップは資金や人員が限られているため、「いつ・どんなタイミングでCFOを迎えるべきか」は慎重に考える必要があります。

この章では、CFOを迎える適切なタイミングや方法、選び方のポイントをわかりやすく解説します!

起業初期:CFOの役割を「考え方」として取り入れる

会社設立から間もない段階では、まだ売上も少なく、チームもコンパクトですよね。
でも、「CFO的な視点」は非常に重要です。

  • どれくらいのお金がかかるのかを、ちゃんと見積もる
  • 事業計画に数字を入れてみる
  • 売上と支出のバランスを常に意識する
  • 「半年後に資金が尽きる」とわかっていれば、早めに動ける

このような「数字の見方・考え方」を意識することで、失敗を防ぎ、次の一手が打ちやすくなります。
この段階では、税理士や起業支援者に相談しながら、CFO的な判断を学んでいくのがオススメです。

シード期〜プレシリーズA:外部のCFO的支援を受ける

プロダクト開発が進み、少しずつ売上が出てきた段階。あるいは、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達を考えているなら、「財務のプロの支援」が強い味方になります。

このタイミングでの選択肢は以下を検討すると良いでしょう。

  • スポットコンサル(単発)で、ピッチ資料や資金調達戦略のアドバイスを受ける
  • 業務委託(週1〜2日)で、非常勤のCFOをチームに迎える
  • 起業支援プログラムやインキュベーション施設で、CFOの派遣を受ける

など、柔軟な形で「必要なときだけCFOに頼る」ことが可能です。
コストを抑えつつ、経験豊富な人の知見を得られるのが大きなメリットです。

資金調達ラウンド以降:社内にCFOを抱える検討を

シリーズAやBなど、まとまった資金調達を終えたあとは、社内に本格的なCFOを置くことが現実的になってきます。

この段階では、資本政策が複雑になりはじめ、投資家向けのレポート業務が増える時期です。
また、成長に併せて、採用や広告投資の意思決定も加速していきます。

「お金に関わる判断の精度」が会社の未来を大きく左右するため、経営チームの一員としてCFOを迎え、日常的に連携する体制を整えていくことが理想です。

CFOを選ぶときのチェックポイント

次に「どうやっていいCFOを見つければいいの?」という疑問にもお答えしておきましょう。
CFO候補を選ぶときは、次のポイントを意識するのがオススメです!

  1. スタートアップ経験があるか?
     → 大企業出身でもOKですが、スピード感や柔軟性への理解があると◎
  2. 財務だけでなく“経営の視点”を持っているか?
     → 数字を読むだけでなく、戦略に踏み込める人がベスト
  3. 投資家対応の経験があるか?
     → 資金調達の場面での対応力はとても重要です
  4. 経営チームとの相性がいいか?
     → スキルよりも「一緒に戦えるか」が長く活躍してもらうカギ

最初から完璧なCFOを探そうとしすぎず、「今のフェーズで、どんなサポートが必要か?」を明確にするのが大切です。

CFOの最大の役割は、お金を見守り、リスクを管理しながら、会社が安心してチャレンジできる土台をつくること。しかしそれだけではなく、以下のような役割も果たします。

  • CEOが集中すべき業務に専念できるように支えてくれる
  • 経営判断をブレさせず、冷静な視点を提供してくれる
  • 投資家や金融機関との信頼を築き、事業の未来に道を開いてくれる
  • チームに“数字で考える文化”を根づかせてくれる

そう、CFOはただの「財務担当」ではなく、スタートアップが成長していくために不可欠な“戦友”なのです。

したがって、上記のポイントを押さえながら、あなたの良き戦友になるような存在を探したいですね。

CFOは“経営の仲間”として迎えよう

CFOは単なる「お金の管理人」ではなく、一緒に未来をつくっていく経営のパートナーです。
だからこそ、信頼して相談できる人、時にはぶつかりながらも会社のことを真剣に考えてくれる人が理想です。

「まだ小さな会社だけど、成長したい」という想いがあるなら、早い段階からCFO的な人材と出会っておくのは、本当に大きな価値があります。

まとめ

「まだうちは小さいから…」と感じるかもしれませんが、スタートアップの立ち上げ期こそ、お金の流れや経営判断のクオリティが会社の未来を大きく左右します。
だからこそ、たとえ専任のCFOがいなくても、以下のような「CFO的な視点」を意識することが、とても大切です。

  • お金の流れを見える化する
  • 数字で物事を判断する習慣をつける
  • 必要に応じてプロに相談する

そして余裕が出てきたら、非常勤CFOやアドバイザーなど、信頼できる“数字の右腕”を味方につけるのも良い選択肢です。

もしCFOに興味をお持ちになった方は、まずは起業や経営支援に詳しい専門家に相談することから始めてみましょう。

税理士法人ストラテジーでは、起業準備中の方に向けて「無料相談」を実施しています。

✅ ビジネスアイデアの段階からでもOK
✅ 資金繰りや創業融資についてのアドバイスも
✅ 数字が苦手でも安心して相談できるやさしい対応

「まだ早いかな…」と思わず、今のうちに“経営とお金のプロ”とつながっておくことは、将来きっと大きな力になりますよ!

\無料でご相談いただけますのでお気軽にご連絡ください☺/

税務会計についてお悩みの方はご相談ください!無料相談フォームはこちら